飲食店開業時の融資、必要資金について

飲食店を開業する際には、事前にまとまったお金を用意しておかなければいけません。この記事では必要になる金額の平均値や目安、資金を集める際に使える方法について解説していきます。

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資金集めの方法

飲食店開業時に資金調達する方法は大まかに分けて2つに分けられます。一つ目は自分の資金(貯金等)を利用する方法、二つ目は自分以外から資金を集める方法です。自分の資金を調達する方法は、予め計画的に貯金をしていた場合や他に資産を持っている場合に使える方法ですが、この方法だけで開業資金を集める事が出来る人は多くありません。殆どの方は二つ目の自分以外から資金を集める方法を利用する事になるでしょう。資金調達の方法は ①金融機関からの融資 ②助成金や補助金 ③クラウドファンディング ④親族・知人から借りる の4つが該当します。これらの方法についてや長所・短所について詳しく説明していきます。

金融機関からの融資

金融機関に融資借入の申し込みを行う事で開業の為の資金を調達する事が出来ます。これから新しく事業を始める際に借入を行う融資は創業融資と呼ばれています。創業融資の申し込みは主に日本政策金融公庫に申し込みを行う。もしくは銀行経由でそれぞれの地方自治体が窓口となっている制度融資の申し込みが一般的によく行われています。創業融資を受ける方の殆どは日本政策金融公庫の融資制度を利用する方が融資を受けやすく、メリットが大きい為、このページでは日本政策金融公庫に絞って説明します。

①日本政策金融公庫

長所

日本政策金融公庫の創業融資は初めて飲食店を始める、これまで経営の実績がない方でも他の融資と比べると融資審査を通過しやすい事がメリットです。また、それだけでなく原則として無担保・無保証人で融資を受けることができたり、融資限度額が高めに設定されている事が大きな長所です。ちなみに限度額は3000万円に設定されており、そのうち1500万円を運転資金にすることが出来ます

短所

他の制度融資と比べて少し金利が高めに設定されている事が短所となっています。また、創業計画書を記入、提出する手間も一応短所と言えるかもしれません。 日本政策金融公庫から融資を受ける際には、電話や窓口で融資相談→インターネットから申し込みをする→書類持参のうえ面談→契約手続き→融資入金という流れになります。インターネット申し込みの際には事前に創業計画遺書と見積もり書、運転免許もしくはパスポートの写し、飲食店営業許可証が必要になります。法人の場合は追加で履歴事項証明書もしくは登記簿謄本を追加で用意しておきましょう。これらの書類を揃えて電子データ化しなければいけない為、漏れが無いようにしっかりと準備しておきましょう。

②助成金や補助金

国や地方団体の出している助成金や補助金を利用する事で不足している開業資金を補う事が出来ます。この二つに大きな区別はありませんが、大体で分けると条件さえ満たしていれば誰でも受けられるのが助成金で、採択数や金額に上限が設定されているのが補助金です。

長所

助成金・補助金は融資とは違い借入金ではないため、返済や利息が発生しません。飲食店を初めてすぐに利益が沢山出るとは限らないため、返済の必要がない事は非常に大きな長所と言えるでしょう。それだけでなく、補助金を受給していると社会的信用が高まります。それによって、店舗運営していく中で運営資金の融資を申請する際に審査を通過しやすくなったり、審査時にアピールする事が出来ます。

短所

補助金や助成金の条件を満たさないといけない点、満たしていたとしても書類作成と提出の手間が短所と言えます。更に、補助金の入金は後払いであるため、先に支払った後に補助金が振り込まれます。あらかじめ支払いできるだけの資金が必要な事も短所になります。 助成金・補助金を利用する為には、要件を満たす→申請書を提出する→審査→交付が決定する→事業が開始する→補助金・助成金の交付という順番になります。行っている補助金や助成金の要件は地方自治体によって異なります。要件だけでなく時期によっても変化する為、店舗を出そうと考えている地方自治体がどのような補助金・助成金を取り扱っているのか事前に調べて活用しましょう。

③クラウドファンディング

クラウドファンディングはインターネットでお店の情報や目標金額、支援金ごとのリターン(お礼)を設定し、不特定多数の人から少しずつ支援を集めて資金調達をする方法です。1000円支援の返礼品、5000円支援の返礼品といったように段階ごとに支援の見返りを設定し、それに応じた返礼品を考える必要があります。

長所

融資や補助金等、これまで説明した資金調達方法と比べて要件が少なく、手軽に行う事が出来ます。また、借入金ではなく支援金なので返済や利息といったものが発生しません。更に、クラウドファンディング自体が広報のような役割を持っているため、開業するお店のPRにも繋がります。支援してくれた人が開業後にお店に来てくれることもあります。

短所

他の方法と比べて資金調達が安定しません。具体的には資金調達までに時間がかかる点や、目標金額に支援が達しない事がある点が挙げられます。あくまで不特定多数の人からの支援なので、広報に力を入れていないと中々支援が集まりづらく目標金額達成が難しいとされています。また、リターンの内容を考えなければいけない点も短所です。リターンを豪華にすると確かに支援は集まりやすくなりますが、その分コストがかかります。逆にリターンに力を入れていないとそもそもの支援が集まりません。 クラウドファンディングを利用する際には、クラウドファンディングサイトを選ぶ→ページを作成→公開する→SNS等で広報活動を行うという流れになります。何よりも多くの人にお店の事、クラウドファンディングの事を知ってもらう必要があります。SNSやホームページ、動画等使えるものを全て使って認知度を高めましょう。

④親族・知人から借りる

文字通り親族知人から借りる事も資金調達に含まれます。

長所

相手が貸し借りに納得していれば特に手続きや要件も無く即借りる事が出来ます。また、相手との関係性や交渉にもよりますが金利がない点、返済期間をある程度柔軟に設定しやすい点が長所と言えるかもしれません。

短所

心理的に高い金額を借りる事が頼みにくい事や金銭関係は何かとトラブルが起きやすい事、そもそも数百万や数千万単位をぽんと貸せる人がそうそう居ないことが挙げられます。また、返済期間を柔軟に設定できるとは言っても、その時になって返済が滞ったり返せないとなると相手との関係が悪く、縁切りされることもあります。たとえ親族や知人だったとして約束は約束、特にお金が関係する事なのでしっかり守りましょう。また、借りる金額が大きい場合は贈与と見られる事もあります。贈与扱いになると税金がかかってしまうため、借用書を用意して贈与ではない事を公的にしておきましょう。

開店までの準備

飲食店を開店する前には事前にしっかりと準備しておく必要があります。 ①店舗のコンセプトやイメージを設計する ②事業計画書を作成する ③店舗物件を決める ④資金調達 ⑤店舗の内装と外装の工事を行う ⑥資格の取得と行政への届出 ⑦設備や備蓄を購入する ⑧宣伝と従業員確保 ⑨テスト開店 ⑩開店 ②の事業計画書は資金調達に融資を使おうとしている場合必要になります。事業の内容や事業展開後の経営方針や戦略、方向性や収支の計画をまとめた物になります。融資を受ける際だけでなく、開業後の進捗状況と見比べて今後の方針を決める際にも利用できます。自分のお店としての指標になる為、必ず作成しておきましょう。③⑤⑦は開業の初期費用に直に影響する部分になります。ここが高くなるとその分資金調達も大変になる為、予め考えていたコンセプトやイメージに沿った物を選ぶようにしましょう。また、⑥は開業する際に必須の項目になります。飲食店には食品衛生責任者の配置が義務となっており、規模が大きい場合には防火管理者の配置も義務付けられています。更に、飲食店開業する際には保健所からの許可も必要になります。深夜営業する場合や個人開業の場合はまた別の許可が必要になる為、必ず事前に確認して届出を行うようにしましょう。

飲食店開業時に必要な資金の目安

開業する際に必要な資金を把握しておくことも大切です。初期費用と運転資金、そして生活資金の3つの項目に分けて大体どれくらいかかるのかシミュレーションして、イメージを持っておきましょう。

①初期費用

物件取得費や店舗投資費用が該当します。物件取得費は物件契約時にかかる費用の事で、保証金として家賃の前払いや礼金、仲介手数料等がかかります。場合によっては保証金は10か月分等の長期間必要になる事もあります。大まかに計算して家賃×10カ月分くらいの資金を目安にしておきましょう。店舗投資費用は外装や内装の工事費用や厨房設備の費用、人件費等が該当します。この部分は飲食店の規模や業種によっても大きく変わる為、大まかな金額を出すことは難しいです。設備の見積もりや工事費用の見積もり等から計算しましょう。

②運転資金

開業後、店舗を経営・運営していく際にかかる費用の事です。事業が軌道に乗るまでは赤字が続く事も珍しくないため、大体の必要金額を知っておくことで軌道に乗るまでの赤字を補う事が出来ます。開業後軌道に乗るまで半年以上かかるのが全体の6割となっており、3カ月以内に軌道に乗せる事が出来たケースは全体の2割程度しかありません。事前に6か月程度の運転資金をあらかじめ準備しておくと、軌道に乗るまでに時間がかかって赤字が続いたとしても、その厳しい時期を乗り切る事が出来ます。

③生活資金

飲食店の経営には直接関係はありませんが、経営している自分自身の生活にもお金はかかります。飲食店は完璧でも自分自身食べるものがなかったり生活費が無かったら元も子もありません。毎月の生活費を計算し、それを六倍して半年分の生活費を予め確保するなりどうやって用意するのかを考えておきましょう。

開業資金の平均は1000万円

飲食店開業時にかかる費用は多少前後しますが概ね1000万と言えるでしょう。内訳としては内装・外装の工事費用が350~400万前後、設備が180~200万、賃貸の費用が150万~200万前後となっています。とはいえ、借りる物件や規模によって費用は大きく変わります。例えば完全にまっさらなスケルトン物件を借りる場合には追加で厨房設備や機器を購入しないといけない為、その分費用が掛かります。反対に居抜き物件を利用して前の店舗の内装や設備を利用する場合はこれよりも費用を抑える事が出来ます。そして、これだけではなく一つ上の項目にも記載している通り運転資金と生活資金も必要になります。それら全てを合計するとおおよそ1000万~1500万円になる事が多いので、大体これくらい持っていればひとまず安心。という目安として見てください。

準備資金と融資額の計算について

飲食店を開業するにあたって必要になる資金の総額を知っておく事は事前準備や開業後の返済を考える際に活用できます。算出するには4つの手順を踏むと良いでしょう。①資金計画②支出計画③返済計画④売上予測です。

①資金計画

資金計画は開業にどれくらいお金がかかるのか、どのような手段で必要資金を調達するのかを予測し計画する事です。まずはじめに初期費用と運転資金がどれくらいかかるか計算した後、具体的な内訳や費用の目安・相場を記載します。どれくらいかかるのかが判明したらその資金を「どのような方法で」「いくら調達するのか」を記載します。方法としては自己資金(貯金)や金融機関からの融資等色々な方法があります。

②収支計画

開業後、どれくらいの収益を上げられるのかを予測し、計画を立てなければいけません。ここで一つ注意点があり、売上=収益ではないという事です。収益は売上から原価と経費を差し引いた数字となり、経費には人件費や利息等が含まれます。収支計画を立てる際には、経営の環境や開業しようとしている飲食店業界の状況、近くに競合する店があるのかどうか、設備や価格の推移等から判断する必要があります。少し大変ですが、収支計画を立てておくとそれ以降の返済や支払いに対して具体的な見通しを立てる事が出来るようになる為、頑張って作成しましょう。

③返済計画

融資を受けたり、親族・知人から借りて資金調達する場合は返済計画もしっかりと立てておきましょう。手元に残ったお金から返済金を返す。のではなく利益から返済金を引いた分が手元に残るお金という事をしっかり認識しておきましょう。返済計画を立てる際には収支計画で出した大まかな利益を基に、毎月どれくらい返済するのか、いつ返済が終わるのか等、具体的な数字を使った返済計画を立てていきましょう。予想していたより軌道に乗るまで時間がかかる事もあります。無理なく余裕のある返済計画を立てましょう。

④売上予測

収支計画を立てる際に必要になります。業種によって売上予測の方法は変わりますが、飲食店の売上を大まかに計算するには客単価と座席の数、回転数と客席の稼働率を全て掛け算すると計算する事が出来ます。この際に気を付けなければいけないのは客席稼働率はどれくらい客席が埋まっているか。という数字なので、6人テーブルを3人で使用していた場合稼働率は50%になります。つまり、回転数が良くても稼働率が低ければ売上は下がります。客単価や回転数だけでなく、売上予測をする際には客席稼働率も意識しましょう。

開業資金を抑えるには

ここまで開業資金について色々説明してきましたが、開業資金を考える際にはどうやったら開業資金を抑える事が出来るのか気になる方も多いでしょう。ここからは開業資金を抑える方法やコツについて説明していきます。

①事業計画の見直し

事業計画を見直して優先順位付けをしたり、絶対に欲しいもの、あったら助かるもの、無くても困らない物等分けて考える事で開業直後にはいらない物が出てくる事もあります。無くても困らない、あったら助かる程度の物であれば開業時に揃えなくても、開業後に安定してから購入しても良いかもしれません。

②中古品を使う

設備や備品を中古品に使う事で設備費用を抑える事が出来ます。新品と中古で値段に差が出る場合はちりも積もればと言わんばかりに最終的な費用を大幅に抑えて事業を始める事が出来ます。また、居抜き物件を選べば既に内装や外装があるので、工事費用を抑える事が出来ます。開業費用を抑えたい場合は居抜き物件を選ぶと良いでしょう。

③DIY

DIYに自信がある方は内装・外装を自分で作成してみるのも良いかもしれません。もしくは大半を業者に任せて自分は出来そうな所、失敗しても問題ない所だけ自分でやるという方法も作戦の一つです。例えば壁の塗装だけでも自分で行うと万単位での節約になります。全ての工事は無理でも、出来るところは自分で行う事で費用を抑えた開業を行う事が出来ます。

余裕のある資金計画を

今回、飲食店開業時にかかる資金の目安や方法について説明させて頂きました。飲食店には平均1000万円のお金がかかります。飲食店の開業を考えている方は早めの資金調達、そして余裕を持った資金・返済計画を立てて返済が滞ったり多少無理した経営にならないようにしましょう。

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