【店舗出店】創業融資の際にはコンサルを使うのがおすすめです
起業するとき、創業資金を集めるのに有用なのは創業融資制度を利用する事です。しかし自分一人ではよくわからない、コンサルを頼るべきかと迷う方も多いと思います。ここでは創業融資コンサルを選ぶ際のポイントや注意すべき点についてご紹介させていただきます。
創業融資コンサルとは何なのか。
主に創業融資制度を利用したい時にどれを選ぶべきか相談に乗ったり、申請準備や事業計画書を立てる時にアドバイスやサポートをすることを創業融資コンサルと言います。どのようなサポートをするのか、何処までしてくれるのかはコンサルタントによりけりです。その為依頼時期によってはサポートする内容が違います。
サポート内容
創業融資コンサルタントの行うサポートは主に以下の通りです。順に説明させていただきます。
1.依頼者の現状確認
・依頼者の現在の過去の職業や経歴、現在の状況
・やりたいと考えている事業内容
・自己資金の有無や額、どのような方法で貯めたかなど
・依頼者が利用したいと考えている金融機関や融資を希望する金額
以上のような事柄を、コンサルタントはまず依頼者からコンサル契約をする初期段階に確認します。
これらの内容をもとに融資申請が通る見込みはあるか、依頼者の希望する条件にあった融資制度はあるかなどを考えて依頼者へ提案していきます。しかしこの時点で申し込むための条件が纏まらなかったり、創業計画の中身に問題ありと判断される場合は依頼者にその旨を伝え、融資申請を諦めてもらう場合がございます。一般的にここで特に問題なし、と判断した場合にコンサル契約が締結されます。
2.融資制度の紹介
聞き取りの結果からコンサル契約をした後は具体的にどこを利用するべきか融資制度の紹介をします。
一般的に融資の主体となるのは日本政策金融公庫の新創業融資精度です。しかし他にも資本性ローンや信用保証協会の制度融資といった条件に合った制度があればそちらも合わせて紹介します。依頼者が補助金などの申請も考えている場合は、そちらに関する提案も同時に行います。
このサポートは依頼者の状況確認の際に同時に進めることも多くあります。
3.融資申し込みの説明と準備
融資申請先が決まれば次はその手続きの為の準備です。今後すべきこと、申し込みに必要な書類や手続き方法等のアドバイスをします。この際、事業計画が固まりきっていない、不備がある事業主も少なからず存在しています。そういった場合はこちらのアドバイスもします。
4.創業計画書の作成
事前準備を終えれば重要になるのは創業計画書です。依頼者が作成した計画書の添削が基本的なサポート内容としています。場合によってはコンサル側で依頼者からのヒアリングをもとに大まかな計画書を作成し、依頼者本人に確認をとるという事もあります。
5.面談に対するサポート
日本政策金融公庫を筆頭に、多くの金融機関では創業融資の審査の中に面談があります。日本政策金融公庫ではコンサルが面談に同席することが認められていますが、金融機関によっては本人以外は同席不可とされていることもあります。よって基本的には1人で面談時の対応が可能になれるように指導します。対応マニュアルを渡しその内容を実践できるようにする、また実際にコンサルタントと面談の予行演習を行う等が具体的な指導例です。
6.その他
創業融資コンサルでは以上のサポートを主に行っていますが、コンサルによっては他にも後述するようなサポートを行うこともあります。内容によって必要となる資格が決まっているため、コンサルがその資格を持っていないと違法になります。
・会社の設立や法人成りの手続き
起業時に会社を設立する、個人事業から法人成りするときには設立登記をする必要があります。定款の作成が可能な行政書士、登記申請代理が可能な司法書士、開業届の提出や個人から法人へ資産を移転させるような税務手続きは税理士の資格をコンサルが所有している場合はこの手続きの代理サポートができます。しかしこれらの行為を資格のないコンサルが行うと憲法違反となるため注意しましょう。
・企業の記帳手続代理
依頼するコンサルにもよりますが、中には創業後の記帳業務や申告書、決算書の作成までサポートすることもあります。なお、税理士でないと決算書に関しては作成と提出が出来ません。
・許認可の取得代理手続き
依頼者の事業に国や保健所の許認可手続きが必要な場合、取得のためのサポートを行います。行政書士の資格を保有していれば代理で手続きを行う事が出来ます。
・補助金や助成金の申請手続き
社会保険労務士の資格があれば厚生労働省や関連している役所が主体になっている補助金や助成金申請の代理が可能です。
・売り上げ、販売促進の支援
コンサルにもよりますが、飲食店を始める場合に経営指導や集客に関するアドバイスなどを行う事もあります。
コンサルに依頼すべき時期
コンサルのサポートを受けるとなった場合、いつ依頼をすべきかも大切な要素です。一般的には融資を申請する前にコンサルに頼むことが多いです。しかし以下のような状況ではもっと早く相談することを推奨します。
・融資申し込みまでの期間が残っていない
融資申請には必要な書類の準備、創業計画書の作成や確認など多くの事前準備が必須です。その為、準備を始めてから審査に通り実際に融資資金が出るまでには約2~3か月ほどの時間が必要になります。
創業計画書を作るのに慣れていない方だと更に時間がかかる為。計画を立てる段階でコンサルへ相談や依頼に行くことをおすすめします。
・創業時に会社を設立したい
起業時に会社を開設した後に融資申請を出す方が多くいますが、会社の事業内容に問題があると融資が不可になることや審査に不利なものになってしまいます。例を挙げると企業目的に風俗や金融関連の営業が入っている場合です。また、信用保証協会の中にはレンタルオフィスを利用した開業を認めていないこともあります。会社を作った後にこの問題が発覚しても変更の手間や費用、計画自体を全て変えなければならない場合もあるため、大変な時間と労力の損失になります。その為、可能であれば会社を設立する前にコンサルからの意見を聞くと良いでしょう。
創業融資コンサルのメリットとデメリット
初めて創業融資を利用しようと考えている方にとっては創業融資コンサルはやはり心強い味方となりますが、やはりデメリットも存在します。したがって、どのようなメリットとデメリットがあるかを把握して活用するかを決めていきましょう。
メリット
・融資希望額を得られる確率が上がる
企業主が希望する金額に近い融資金を獲得できる可能性が個人で申請するよりも高い事がコンサルにサポートを依頼することの最大のメリットです。創業融資の申請には細かな要件だけでなく、事業主の事業経験は三年以上あった方が良い、他方からもらったものは自己資金に含まれるか、といった手引書などには書かれていないコツやポイントや存在しています。よってそれらを熟知しているコンサルのアドバイスをもとに申し込みをすれば希望に近い融資を受けられる可能性が上がります。
・資金調達先の中での最適解が得られる
コンサルは融資に関する知識や情報を豊富に持っています。その中から、資金調達先や融資先を複数紹介してもらう事が出来ます。日本政策金融公庫の新創業融資制度が代表的ですが、他にも政府系金融機関や制度融資などから依頼者の希望や状況に合ったものを紹介してもらえます。
・創業についての知識が得られる
創業融資コンサルには資格を持つ者や多様な経験をした方が多く、融資だけでではなく創業に関連する事柄に対するアドバイスや指導をしてもらいやすくなります。
デメリット
・依頼の費用
創業融資コンサルにサポートを依頼するとやはり一定の費用が掛かることになります。コンサルによって定額か成功報酬制か、あるいはその両方を併用しているケースがあります。費用の金額や支払い方法を事前に確認してから依頼をするかどうかを決定しましょう。
・自身が希望するサポートと専門がずれる
創業融資制度以外にも制度融資など、コンサルタントによってはそれぞれ個人で得意とする範囲が異なります。事業計画書を作成するサポートにおいても、ビジネスプランを組むのが上手いコンサルタントや文章作りが得意なコンサルタントなどそれぞれ得意分野が違ってきます。そのため、依頼者の考えているサポートとの相違が生まれてしまう可能性があります。
一番最初のヒアリングで自分がどのようなサポートをしてもらいたいかを伝え、コンサルタントが得意としているものとあっているか確認することが大切です。
創業融資の際に利用したい支援機関
民間の創業融資コンサル以外にも支援機関は多くあります。それぞれの特徴を説明します。
・日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は融資先として代表的な政府の金融機関です。融資だけにとどまらず、全国に置かれている支店では「創業サポートデスク」があり、融資申請のための相談や事業計画を立てるサポートを電話や予約をしてオンラインでの対応を行っています。よって、創業融資をしたいと考えている場合は一番初めに日本政策金融公庫の相談窓口を利用することをお勧めします。
・商工会議所
個人経営をしている事業主、中小企業へ融資の斡旋や経営に関する相談や指導等の創業サポートを行っているのが商工会と商工会議所です。商工会と商工会議所は管轄エリアが町村か市区かの違いなので、サポートを内容に殆ど違いはありません。商工会では各種相談を無料で行っています。しかし相談を受けるには会費を払い、会員とならなければなりません。
・ミラサポ
ミラサポは中小企業庁管轄のweb相談のための窓口です。中小企業支援施策について、検索機能や申請方法の案内が掲載されており、これらは全て無料で閲覧できます。しかし、補助金や助成金の支援、専門家によるサポートなどを利用する場合には会員登録をしなければなりません。
・国家資格をもつ専門家
司法書士、行政書士、税理士といった資格を保有している専門家、それぞれが所属している書士会などの団体では専門分野に関する相談を受け付けています。士業団体への相談は基本無料となりますが、士業者個人への相談は原則有料のため、事前に費用がどれくらいかかるか確認しておくことをお勧めします。
創業融資コンサルを選ぶにあたって
創業融資コンサル選びに失敗しない為に、広告の宣伝文句や実績が本当であるか慎重に考える必要があります。後になって料金が不当だったり、サポート内容に不備があったりとトラブルにつながるかもしれません。選ぶ際に見るべきポイントを紹介します。
・宣伝文句の数字
「成功確率100%」など売り上げや実績を宣伝では過剰に誇張しているコンサルも存在しています。
また、実績を落とさないために難しい案件は断る、簡単な依頼しか請け負わないといったところもあります。契約書や実際に成功し融資金が入金された通帳など具体的な証拠を公開しているかどうかを確認しましょう。
・成功報酬が正当な額
出資法により、融資コンサルの報酬は5%以上の請求をすると違法となります。この額を超えた金額を請求してくるコンサルは違法なので要注意です。また、補助金や助成金のサポートは出資法の対象ではありませんが、一般的には10~25%程度が成功報酬の相場となっています。
・必要とする知識を持っているか
融資サポートをするための知識やノウハウには様々な種類があります。すべてを網羅しているコンサルタントというのは中々存在していない為、自分が必要としている知識を持っているかを確認しておきましょう。
・コンサルタントの人柄
コンサルタントのサポートは互いに意思疎通やコミュニケーションをとることが大切です。そのためどれだけ有能なコンサルタントであっても正確に難がある、相性が悪いといった場合は依頼をやめることも必要です。相談の受け答えが適当、つじつまが合わないなど少し手も違和感があった場合はやめておくことをお勧めします。